Instagram責任者、Adam Mosseri
投稿日: 2020年9月9日
新型コロナウイルスの世界的流行、近づく選挙、人種間の緊張の高まりの中で、人々のInstagramの使い方に変化が見られます。自分が関心を持っている人種問題、市民権の問題、社会問題などへの意識を高めるために、これまで以上に多くの人々がInstagramのプラットフォームを利用するようになってきています。これが大きな動機付けとなり、弊社では、一部のグループに対してInstagramのサービスが十分でない分野を評価すると、6月にお約束しました。弊社には、自分たちが何をどのように構築するかを見極める責任があります。そうすることで、弊社製品の利用体験に、コミュニティの行動や願望がよりよく反映されるようになります。
以下に、今夏に進展のあった分野の最新情報をご紹介します。これは決して包括的なものではなく、やるべきことは他にもたくさんありますが、この取り組みが重要で継続的なものであることをコミュニティの皆さまに知っていただくために、定期的に最新情報を共有してまいります。
この取り組みをしっかりとサポートするために、製品開発やInstagramの利用体験における偏りをより深く理解し、それに対処することに焦点を当てた専用の製品グループ、「Instagramエクイティチーム」を設立しました。エクイティチームは公正かつ公平な製品の開発に重点的に取り組みます。これには、FacebookのレスポンシブルAIチームと連携してアルゴリズムの公平性を確保することも含まれます。さらに、サービスが十分に行き届いていないコミュニティのニーズに対応した新機能を開発します。この新しい製品グループとは別に、Instagramのダイバーシティ&インクルージョン担当の取締役を新たに採用し、より多様性に富んだ才能を見つけ出して、利用継続と成長を促すという目標を推進してもらいます。
Instagramでは、世界中のコミュニティをサポートするために、全社的なポリシーを数多く策定し、発展させてきました。今回のポリシー改定では、黒塗りの顔を描いたコンテンツやユダヤ人に関するステレオタイプなど、特定の種類の暗示的なヘイトスピーチをより具体的に例示しました。また、深刻なレイプの脅迫をする人への取り締まりを強化し、コンテンツだけを削除するのではなく、そのような脅迫を行ったアカウントはすべて、発覚後ただちにアカウント自体を停止するようにしました。さらに、不本意に世間の耳目を集めてしまった人(注目を求めていなかった可能性がある人で、社会的に疎外されたコミュニティのメンバーであることが多い)が、注目を集める前と同じように嫌がらせやいじめから保護されるようにします。
Instagramではこれまでも、ヘイトグループに関するポリシーに違反するコンテンツの削除を優先してきました。その中で23のそれぞれ別の禁止団体が削除され、その半数以上が白人至上主義を支持していました。また、QAnonのような暴力と結びついた組織に対して措置を講じるためのアップデートを、先日発表しました。
クリエイターやビジネスの皆さまに向けてもいくつかの変更を行いました。例えば、ビジネスアカウントやクリエイターアカウントを持っている人は、自分にダイレクトメッセージを送信できる人を管理できるようになりました。また、コメントの警告を拡張してLiveのコメントも含めるようにしたため、今後、不快な内容の可能性があるコメントについては投稿前に再検討するよう求められます。
弊社ではこの2か月間、Instagramの認証方法を見直し、より公平なプロセスを確保するための変更に着手しました。Instagramによる認証を受けるには、アカウントは一定の基準(一定水準の注目度など)を満たす必要があります。注目度は、認証の申請者に関するプレス記事を通じて測定します。このプロセスで検討するプレスソースのリストを拡大し、黒人、LGBTQ+、ラテンアメリカ系メディアを追加しました。
アプリ内フォームを通じて認証を受ける(誰でも申請できます)際に、フォロワー数が要件になったことはありません。 しかし、毎日届く数万ものリクエストを処理するためにInstagramが導入していた一部のシステムでは、フォロワー数の多いアカウントが優先されていました。そこで、認証プロセスの自動化されている部分からこのシステムを削除しました。
Instagramで検閲が行われているのではないかという懸念が続いていることを受けて、先日、発見タブなどの場所に表示されるコンテンツの種類を決めるために使用しているガイドラインを公開しました。InstagramやFacebookのおすすめに含まれていない種類のコンテンツがあること、その結果として、コンテンツが広く配信されない可能性があることを、利用者の皆さまにご理解いただければ幸いです。このガイドラインを策定するにあたり、弊社では、おすすめシステム、ソーシャルコンピューティング、表現の自由、安全性、市民権、デジタル権などを専門とする50人以上の一流の専門家から助言を受けました。
最初の投稿で申し上げたように、この取り組みには時間がかかりますが、正しく実行することと、そのための十分な時間をかけることが重要です。この取り組みに参加することに関心をお持ちの方は、ポリシーチームと製品チームで募集中の求人をぜひご覧ください。
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